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スクラッチの使い方を小学生向けに解説|ジャンプゲームの作り方

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スクラッチの使い方を小学生向けに解説|ジャンプゲームの作り方
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プログラミング教室「テックチャンス」代表取締役。広島大学 総合科学部 総合科学科(数理情報科学プログラム)卒業。大学受験進学塾「広大研」取締役として、数学科主任講師・情報科主任講師も務める。 大学受験指導15年、プログラミング指導10年。 指導領域はScratch・Minecraft・Unity・Webアプリ開発など幅広く、初心者から経験者まで段階的に伸ばす教材体系を設計。単なる操作習得や暗記に寄らず、「目的を定める→作る→動かして確かめる→直す→完成させる」という試行錯誤の型を重視し、子どもが自力で成果物を作り切る力を育てる。また、受験指導で培った学習設計・習慣化・伸び悩みの原因分析をプログラミング学習にも応用し、学年や個性に合わせた課題設計とフィードバックを行う。 近年はAIも取り入れ、発想支援・表現の拡張・改善サイクルの高速化を通じて、学びを作品と成長に結びつける指導・カリキュラム開発に取り組んでいる。

「スクラッチでゲームを作りたいけれど、どこを押せばいいのか分からない」
「ブロックを並べても、ネコが思った通りに動いてくれない……」

そんなときは、短いプログラムを1つずつ組み立てて、画面の動きを確かめながら進めてみましょう。

スクラッチ(Scratch)は、命令が書かれたブロックをつなぎ合わせるだけで、キャラクターを動かしたり、本格的なゲームやアニメーションを作ったりできる無料のプログラミング環境です。

この記事では、右から流れてくるりんごをジャンプでよけるゲームを作りながら、スクラッチの基本的な操作方法を分かりやすく解説します。

ブロックの動かし方から、ネコのジャンプ、りんごの登場、ぶつかったときのゲームオーバー判定まで、順番に手を動かしながら進めていきます。

記事の後半には、うまく動かないときのチェックリストや作品の保存方法もまとめました。

最初からすべての仕組みを覚える必要はありません。「ネコを動かせた!」「りんごが出てきた!」と、できることを1つずつ増やしていきましょう。

 

今回作るゲームは「りんごエスケープ」

今回挑戦するのは、右から流れてくるりんごをネコがジャンプでよける「りんごエスケープ」というアクションゲームです。

今回挑戦するのは、右から流れてくるりんごをネコがジャンプでよける「りんごエスケープ」というアクションゲームです。

操作・出来事 ゲームの動き
緑の旗を押す ゲームが始まり、ネコが決まったスタート位置へ戻る
スペースキーを押す ネコが上へジャンプし、0.7秒後に地面へ戻る
もう一度ジャンプする スペースキーを一度離してから、もう一度押す
りんごがネコに触れる 「ゲームオーバー!」と吹き出しを出して、すべての動きを止める
もう一度緑の旗を押す ゲームがリセットされ、最初から遊び直せる

今回のジャンプは、上下の位置をすばやく切り替えるシンプルな仕組みで作ります。本物のようななめらかな放物線を描くジャンプは、基本のゲームが完成してから挑戦してみましょう。

ゲーム作りを通して学べるのは、マウス操作だけではありません。

「順番に実行する(順次処理)」「繰り返す」「条件に合ったときだけ動かす(条件分岐)」といった、プログラミングの土台となる大切な考え方も自然と身につきます。

 

スクラッチを開いて、ゲーム作りの準備をしよう

今回はキーボードのあるパソコンを使おう

この記事では、パソコンのブラウザでスクラッチを開き、マウスやトラックパッドを使って操作することを前提に解説しています。

ゲームの操作にスペースキーを使うため、キーボードも用意してください。

タブレットでもスクラッチは動きますが、「キーが押されたとき」のブロックに制約があります。

また、スマートフォンでの作品作りは公式には対応していません。

記事と同じゲームをスムーズに作るために、まずはパソコンで進めるのがおすすめです。(Scratch公式の動作環境)

公式サイトの「作る」から編集画面を開く

まずはスクラッチの公式サイトにアクセスし、画面の上にある「作る」をクリックします。

まずはスクラッチの公式サイトにアクセスし、画面の上にある「作る」をクリックします。

新しい編集画面が開き、白い画面の中にネコのスプライト(キャラクター)が表示されているか確認しましょう。

新しい編集画面が開き、白い画面の中にネコのスプライト(キャラクター)が表示されているか確認しましょう。

もし画面の文字が英語になっている場合は、画面左上にある地球儀のマークをクリックして「日本語」を選んでください。漢字がまだ難しい場合は、ひらがな表記の「にほんご」を選んでも構いません(この記事では「日本語」の表記で説明します)。

もし画面の文字が英語になっている場合は、画面左上にある地球儀のマークをクリックして「日本語」を選んでください。漢字がまだ難しい場合は、ひらがな表記の「にほんご」を選んでも構いません(この記事では「日本語」の表記で説明します)。

保存のやり方は記事の後半で詳しく紹介しますが、途中で休憩したくなったときは、ページを閉じる前に必ず作品を保存してください。

スクラッチの画面とブロックの動かし方を覚えよう

最初に見る5つのエリア

スクラッチの編集画面は、大きく5つの場所に分かれています。

最初に見る5つのエリア

場所 役割
左側:ブロックパレット 「10歩動かす」など、並べたい命令ブロックを探す場所
中央:コードエリア ブロックをドラッグしてつなげ、プログラムを組む作業台
右上:ステージ 組み立てたプログラムで、ネコやりんごが実際に動く画面
右下(左):スプライト一覧 プログラムを作りたいキャラクターを切り替える場所
右下(右):ステージ・背景 ゲームの背景画像を選んだり設定したりする場所

スクラッチでは、登場するキャラクターやイラストをスプライトと呼びます。プログラムは基本的にスプライトごとに別々に作成します。

ネコを選んでいるときはネコのプログラムが表示され、りんごを選んでいるときはりんごのプログラムが表示されます。作業中に「さっき並べたブロックが消えてしまった!」と思ったら、今どのスプライトを選んでいるかを右下のスプライト一覧で確認してみましょう。

 

ドラッグ操作でブロックを運ぶ

ドラッグとは、マウスの左ボタン(またはトラックパッド)を押したまま移動させ、目的の場所で指を離す操作のことです。

  1. 左側のカテゴリ一覧から「動き」を選びます。
  2. 「10歩動かす」ブロックの上にマウスカーソルを合わせます。
  3. 左ボタンを押したまま、中央のコードエリアへ持っていきます。
  4. 中央まで運べたら、ボタンから指を離します。

「10歩動かす」ブロックの上にマウスカーソルを合わせます。

置いた「10歩動かす」ブロックをカチッとクリックしてみてください。

ステージ上のネコが、向いている方向(右側)へ少し動きます。

今度は「10」の数字をクリックして「30」に書き換え、もう一度ブロックをクリックしてみましょう。

今度は「10」の数字をクリックして「30」に書き換え、もう一度ブロックをクリックしてみましょう。

数字を変えると、動く距離がぐんと長くなります。

「数字を変えたらどう動くかな?」と予想してから確かめる習慣をつけると、ブロックの役割をぐっと理解しやすくなります。

 

ブロックをつなぐ・外す・消す

ブロックを連結するときは、つなげたいブロックの下側に近づけます。

灰色の影(接続の目印)が出たところで指を離すと、カチッと合体します。

見た目が重なっているように見えても、しっかり連結していないと動かないので注意してください。

外したいときは、切り離したいブロックをつかんで下方向へ引っ張ります。

そのブロックの下につながっている命令も一緒に外れるため、必要なブロックまで崩してしまわないよう注意しましょう。

使わなくなったブロックは、左側のブロックパレットに向かってドラッグ&ドロップすると削除できます。

練習で置いた「30歩動かす」はパレットに戻して消し、いよいよゲーム作りに入っていきましょう。

 

色と名前を手がかりにブロックを探そう

今回使うブロックは、主に次の6種類です。

種類(色) 主な役割 今回使うブロックの例
動き(青色) 位置や向きを変える x座標・y座標を変える、90度に向ける
見た目(紫色) 姿の表示・非表示や大きさを変える 表示する、隠す、〜と言う、大きさを〜%にする
イベント(黄色) プログラムを動かす合図を決める 緑の旗が押されたとき
制御(オレンジ色) 繰り返しや待ち時間、条件を決める ずっと、もし〜なら、〜秒待つ、クローン
調べる(水色) キャラクターやキーの状態を検知する スペースキーが押された、〜に触れた
演算(緑色) 計算や条件の比較を行う 〜から〜までの乱数、○ < ○、〜ではない

ブロックの位置を丸暗記しようとする必要はありません。

「位置を動かしたいから青色の『動き』」「キーを押したか調べたいから水色の『調べる』」というように、やりたいことの目的と色を結びつけて探すのがコツです。

背景を選び、ネコの最初の位置を決めよう

好きな背景を選ぶ

画面の右下にある「背景を選ぶ」アイコンをクリックし、好きな背景をステージに追加しましょう。

画面の右下にある「背景を選ぶ」アイコンをクリックし、好きな背景をステージに追加しましょう。

お手本では草原と青空が広がる「Blue Sky」を使っていますが、好みの背景を選んでも問題ありません。

お手本では草原と青空が広がる「Blue Sky」を使っていますが、好みの背景を選んでも問題ありません。

ただし、背景を変えても、そこに描かれた地面にネコが自動で立ってくれるわけではありません。

今回はプログラム側の数値を使って、「y座標が -120 の位置」を地面として決めていきます。

背景の地面のラインと足元が多少ずれて見えても、まずは記事と同じ数値で進めてみてください。ゲームが完成したあとに、ネコとりんごの高さを一緒に調整すればきれいに揃えられます。

ネコの名前と大きさを整える

画面右下のスプライト一覧でネコを選び、名前の入力欄を「ネコ」に変えておきます。

続いて「コード」タブを開き、以下のブロックを上から順番につなぎ合わせてください。

ネコの名前と大きさを整える

画面上の「緑の旗」をクリックしてみましょう。

ネコが少し小さくなり、ステージの左下の決まった位置にすっと移動すれば成功です。

大きさを60%に縮めることで、りんごとの間に適度なすき間ができ、ゲームが遊びやすくなります。

x座標とy座標は「画面の住所」

「座標(ざひょう)」という言葉が難しく感じたら、ネコがいる「画面上の住所」と考えてみてください。

  • x座標(左右の位置):数字を大きくすると右へ、小さく(マイナスに)すると左へ動きます。
  • y座標(上下の位置):数字を大きくすると上へ、小さく(マイナスに)すると下へ動きます。
  • 中央(原点):画面の真ん中は、x座標もy座標も「0」です。

ネコを置いた「x座標: -100、y座標: -120」は、「中心よりも少し左側で、かなり下のほう」を意味しています。

ここで押さえておきたいのが、「座標を○にする」と「座標を○ずつ変える」の違いです。

  • 「y座標を -120 にする」:今どこにいようと、指定した高さ(-120)へ直接移動する命令。
  • 「y座標を 100 ずつ変える」:今いる高さから、さらに上へ100だけ移動する命令。

この2つの違いを使い分けることで、きれいなジャンプの動きを作っていきます。

スペースキーでネコをジャンプさせよう

「ずっと」の中に「もし」を入れる

先ほど作ったネコの初期位置プログラムの真下に、「制御」の「ずっと」をつなげます。その中に「制御」の「もし〈条件〉なら」を入れ、条件の六角形の穴に「調べる」の「スペースキーが押された」をはめ込みます。

「ずっと」の中に「もし」を入れる

  • ずっと:囲んだ命令をゲーム中ずっと繰り返すブロック。
  • もし〜なら:条件に当てはまった瞬間だけ、中の処理を実行するブロック。

この組み合わせにより、「ゲーム中ずっとスペースキーが押されているかを監視し、押された瞬間にだけジャンプを実行する」という動きが作れます。

六角形のブロックは「もし」の六角形の枠にぴったりはまるので、形にも注目してみてください。

上へ移動し、少し待ってから着地させる

「もし」の内側に、次の3つのブロックを順番に入れます。

「ずっと」の中に「もし」を入れる

最初のブロックでネコが真上に100移動し、空中で0.9秒間キープされ、最後に下に-100移動して地面と同じ高さへ戻ります。

「○秒待つ」を入れずに上へ動かしてすぐ地面に戻してしまうと、コンピューターの処理が速すぎて一瞬で元の位置に戻るため、画面上ではまったく跳んでいないように見えてしまいます。プログラムが動かないように見えても、実は「速すぎて見えていないだけ」というケースがあることを覚えておきましょう。

なお、「0.9」の小数点は半角のピリオド「.」で入力します。マイナス記号も、長音符「ー」ではなく半角ハイフン「-」を使ってください。

キリが良いところまで進んだので、不安な方はここで一度作品を保存しておきましょう。

りんごを追加し、クローンで次々と登場させよう

「Apple」のスプライトを追加する

画面右下の「スプライトを選ぶ」をクリックし、ライブラリから「Apple」を選んで追加します。スプライト一覧の名前を「りんご」に変更しておきましょう。

「Apple」のスプライトを追加する

「Apple」のスプライトを追加する

ここからは、右下のリストで「りんご」を選択した状態でコードを作っていきます。

中央の作業台からネコのコードが見えなくなっても、消えたわけではないので安心してください。

りんごの大きさを「50」、x座標を「220」、y座標を「-120」に設定します。ネコから離れた画面右側の地面に、小さなりんごが配置されます。

「Apple」のスプライトを追加する

クローンはプログラムで作る「分身」

右から何度もりんごを流すために、「クローン」という機能を使います。

クローンとは、ゲームの実行中にプログラムの力で作り出す「スプライトの分身」のことです。

今回は、「大元のりんごは画面から隠しておき、分身を作る係に専念させる」「生まれたクローン(分身)だけを画面に出して右から左へ流す」という役割分担で組み立てていきます。(Scratch Foundation公式のクローン解説)

2〜4秒おきにりんごの分身を生み出す

りんごのスプライトに、次のプログラムを作成します。

2〜4秒おきにりんごの分身を生み出す

  • 自分自身のクローンを作る:「制御」カテゴリにあります。
  • ○から○までの乱数:「演算」カテゴリにある緑色のブロックです。「1秒待つ」の数字の白い丸枠へ直接はめ込みます。

乱数(らんすう)とは、決まった範囲の中からランダムに選ばれる数字のことです。

「2から4までの乱数」にすると、2秒・3秒・4秒のいずれかが毎回でたらめに選ばれます。

このブロックを使うことで、りんごが流れてくるタイミングが毎回バラバラになり、「次はいつ来るかな?」とハラハラしながらジャンプするゲームらしい楽しさが生まれます。

乱数についてもう少し詳しく知りたい方は、Scratchのサイコロで学ぶ乱数の仕組みも参考にしてください。乱数でも同じ数が続くことや、少ない回数では結果に偏りが出ることを、サイコロを例に解説しています。

 

※この段階で緑の旗を押しても、ステージにはまだ何も流れてきません。
大元のりんごは「隠す」で姿を消しており、分身を動かすプログラムをまだ作っていないためです。

りんごのクローンを右から左へ動かそう

「クローンされたとき」から始まるコードを作る

同じ「りんご」のコードエリアで、先ほど作ったコードとは少し離れた場所に、「制御」の「クローンされたとき」を新しく置きます。

このブロックは「緑の旗が押されたとき」の下には連結しません。

続けて、次のようにブロックを組み立ててください。

「クローンされたとき」から始まるコードを作る

大元のりんごは隠れていますが、クローンに対して「表示する」を使うことで、生まれた分身だけが画面に現れます。「x座標を -5 ずつ変える」を入れると、りんごは少しずつ左へ向かってすべるように進んでいきます。

「0.03秒待つ」を入れているのは、移動のスピードをほどよい速さに安定させるためです。

左端まで進んだクローンを消去する

画面の左端まで流れたりんごを消す「もし〈x座標 < -220〉なら」の条件は、次の手順で作ります。

  1. 「演算」から「○ < ○」の緑色の比較ブロックを持ってきます。
  2. 左側の丸枠に、「動き」の下のほうにある「x座標」の丸いブロックを入れます。
  3. 右側の丸枠に半角で「-220」と入力します。
  4. できあがったブロックを、「もし」の条件の枠にはめ込みます。

左端まで進んだクローンを消去する

「<」は「左の数値が、右の数値より小さいとき」を調べる記号です。りんごがステージの左端(x座標が-220より左)まで届いたかどうかを判定しています。

条件の内側に入れた「このクローンを削除する」は、役目を終えたその分身だけを消去する命令です。

大元のりんごは残っているため、その後も新しいりんごが右から次々と生み出されます。

緑の旗を押してテストしてみましょう。数秒ごとに右端からりんごが現れ、スーッと左へ流れて画面の端で消えていけばバッチリです。

ネコをジャンプさせて、タイミングよくよけられるか試してみてください。

りんごに当たったらゲームオーバーにしよう

ネコに切り替え、当たり判定のコードを追加する

今のままでは、りんごがネコにぶつかってもすり抜けてしまいます。

最後に「触れたかどうか」を検知してゲームをストップさせる命令を作りましょう。

右下のスプライト一覧で「ネコ」をクリックして切り替えます。

先ほど作ったジャンプのコードの隣に、新しく次のプログラムを組み立ててください。

ネコに切り替え、当たり判定のコードを追加する

  • ○に触れた:「調べる」カテゴリにある六角形のブロックです。三角の矢印をクリックして、一覧から「りんご」を選びます(クローンに触れた場合もしっかり検知してくれます)。
  • すべてを止める:「制御」カテゴリにあります。別の設定を選んでしまうとりんごの動きやジャンプが止まらなくなってしまう場合があるため、必ず「すべて」を選んでください。

ジャンプと当たり判定を「2本のプログラム」に分ける理由

ネコのスプライトには、「緑の旗が押されたとき」から始まるプログラムが2本並ぶ形になりました。

1本目が「ジャンプ担当」、2本目が「当たり判定担当」です。

なぜ1本にまとめないのでしょうか?

ジャンプのプログラムの中には「0.7秒待つ」という待ち時間が入っています。

もし1本の処理の中で「ジャンプ → 触れたか調べる」と順番に並べてしまうと、ネコが空中で待っているあいだは当たり判定のチェックが完全にストップしてしまい、りんごが通り抜けても気づけなくなってしまいます。

プログラムを2本に分けて同時に動かせば、ネコが空中で待っている間も、もう1本のプログラムが休まず「りんごに触れたかな?」と見張り続けてくれます。

このように「役割ごとにプログラムを分けて同時に動かす」方法は、BGMを鳴らしながらキャラクターを動かしたいときなど、様々な場面で役立つ大切なテクニックです。

完成後の動作テスト|3つのパターンで遊んでみよう

プログラムが組み上がったら、次の3つのパターンを試して完璧に動くか確認します。

  1. わざとジャンプせず待つ:りんごがネコにぶつかった瞬間、「ゲームオーバー!」とセリフが出て全体の動きがピタッと止まるか。
  2. りんごを引きつけてジャンプする:きれいに飛び越えて、ゲームがそのまま続くか。
  3. ゲームオーバー後に再び「緑の旗」を押す:ネコが元の位置に戻り、セリフの吹き出しが消えて、最初からもう一度遊べるか。

もし難しすぎてよけられない場合は、りんごのコードにある「x座標を -5 ずつ変える」を「-3」にしてみましょう。

少しゆっくり流れるようになり、簡単に遊べるようになります。

これで、「りんごエスケープ」の基本ゲームが完成です!

うまく動かないときは、ここを確認しよう

思い通りに動かないときは、焦って最初から作り直す必要はありません。

「どの部分までは正しく動いているか」を順序立てて確かめていきましょう。

起きているトラブル 確認するポイント
スペースキーを押しても跳ばない ・スプライト一覧で「ネコ」を選んでコードを組んでいるか
・緑の旗を押してゲームを開始しているか
・「ずっと」の中に「もし」が入っているか
キーを押すと数字の枠が変わる ・ブロックの数字入力枠を選んだ状態(カーソルが点滅している状態)になっていないか。一度ステージをクリックしてから試す
ネコが上に上がったまま降りてこない ・「0.7秒待つ」の下に「y座標を -120 にする」が入っているか
ジャンプしたのが見えない ・上へ動かす命令と地面に戻す命令の間に、ちゃんと「待つ」ブロックが入っているか
りんごがまったく出てこない ・最初の「2〜4秒」が経過するのを待ってみたか
・「クローンされたとき」の真下に「表示する」が入っているか
動かないりんごが画面に残っている ・大元のりんごのコード(緑の旗が押されたとき)に「隠す」が入っているか
りんごが右に向かって進んでしまう ・x座標の数値が「5」になっていないか(半角のマイナスを付けた「-5」にする)
りんごが画面の左端にたまっていってしまう ・「x座標 < -220」の不等号の向きが合っているか
・「このクローンを削除する」が「もし」の内側に入っているか
当たってもゲームオーバーにならない ・ネコ側の「○に触れた」の相手が「りんご」になっているか
・停止ブロックの選択肢が「すべて」になっているか
よけたはずなのに当たってしまう ・ネコやりんごのサイズが大きすぎないか
・跳び上がるタイミングや、ネコのしっぽ・足先がかすっていないか確かめる

不具合を修正するときは、一度にあれこれ複数のブロックを変えないことが鉄則です。

「りんごが出ないなら、まずは表示ブロックだけ」「次は進むブロック」と、1箇所ずつ確認して動かしてみましょう。

原因を論理的に突き止めて直すこの作業を、プログラミングの世界では「デバッグ」と呼びます。

エラーを見つけて直す経験こそが、プログラミングが一番上達する瞬間です。

作ったスクラッチのゲームを保存しよう

パソコンに作品ファイルを保存する

せっかく作ったゲームが消えてしまわないよう、ブラウザを閉じる前にパソコンへ保存しましょう。

  1. 画面左上のメニューバーにある「ファイル」をクリックします。
  2. 「コンピューターに保存する」を選びます。
  3. パソコンの「ダウンロード」フォルダなどに、「.sb3」という拡張子のファイルが保存されます。

パソコンに作品ファイルを保存する

あとから探しやすいように、「りんごエスケープ_基本版.sb3」といった分かりやすい名前に変更しておくのがおすすめです。(Scratch公式の作品ファイル保存案内)

次回続きから作りたいときは、スクラッチの編集画面を開き、「ファイル」メニューから「コンピューターから読み込む(Load from your computer)」を選んで保存したファイルを開けば、前回の状態からすぐに再開できます。

次回続きから作りたいとき

改造する前にもバックアップを取っておこう

ゲームに新しいアレンジを加える前には、一度「基本版」として保存しておく習慣をつけましょう。

もし改造の途中でうまく動かなくなっても、保存しておいた元のファイルを開けばすぐにやり直すことができます。

オンライン上で自分の作品を保存・管理したい場合は、無料のScratchアカウントを作成します。

アカウントの作成や作品のオンライン共有を行う際は、保護者の方と一緒にルールを確認しながら進めてください。(Scratch Foundation公式スタートガイド)

作品を手元に「保存」することと、ネット上に「共有(一般公開)」することは全く別です。

もし世界中のユーザーに向けて公開する場合は、作品名や説明文の中に本名、学校名、住んでいる地域などの個人情報が含まれていないか、念入りに確かめましょう。

完成したゲームを自分のアイデアで改造してみよう

基本のゲームが動いたら、自分だけのオリジナルゲームに進化させてみましょう!

まずはブロックの「数字」を1つだけ変えてみる

最も手軽で面白い改造は、プログラムの中にある数値をいじることです。

変える場所 設定例 確かめてみたい変化
りんごの移動スピード -5 から -3 へ りんごがゆっくり進み、初心者でもよけやすくなるか
ネコのジャンプの高さ 100 から 130 へ ネコがより高くジャンプできるようになるか
空中に滞在する時間 0.7秒 から 0.5秒 へ すばやく地面に着地するようになるか
りんごが出る間隔 2〜4秒 から 1〜3秒 へ りんごが次々と流れてきて、スリルが増すか

「数字を大きくすれば必ず難しくなる」とは限りません。

「ここを書き換えたら、きっとこう動くはずだ」と頭の中で予想してから実行し、実際の動きと答え合わせをしてみましょう。

なめらかなジャンプにグレードアップする

パッと瞬間移動するジャンプに慣れてきたら、少しずつ上がって、少しずつ降りてくるアニメーションのようなジャンプに挑戦してみましょう。

ネコのコード内にある「y座標を 100 ずつ変える」「0.7秒待つ」「y座標を -120 にする」の3つを外し、代わりに次のカタマリをはめ込みます(最後の「キーから指を離すまで待つ」は残しておきます)。

なめらかなジャンプにグレードアップする

10ずつ10回上げることで合計100上がり、その後に10ずつ10回下げることで元の高さへ戻ります。

最後に地面の座標(-120)を再設定することで、着地ズレを確実に防止します。

基本版と比べて空中にいる時間やタイミングが変わるので、遊びながら「○回繰り返す」の回数や待ち時間を微調整してみてください。

得点(スコア)機能をつけてみよう

ゲームに得点をつけたいときは、まず「どんな条件を満たしたら1点入るか」というルールを決めます。

たとえば、「りんごが左端まで流れて、無事によけきれたら1点」という設計が自然です。

  1. 「変数」カテゴリから「得点」という新しい変数を作ります。
  2. りんごのコードにある「このクローンを削除する」の直前に、「得点を 1 ずつ変える」を配置します。
  3. ネコの「緑の旗が押されたとき」の直後に、「得点を 0 にする」をつなげてリセット(初期化)します。

 

りんごのプログラム

りんごのコードにある「このクローンを削除する」の直前に、「得点を 1 ずつ変える」を配置します。

得点(スコア)機能をつけてみよう

 

ネコのプログラム

ネコの「緑の旗が押されたとき」の直後に、「得点を 0 にする」をつなげてリセット(初期化)します。

得点(スコア)機能をつけてみよう

 

得点がつくと、「次は10点を目指そう!」とゲームが格段に面白くなります。

保護者の方へ|「どこを工夫したの?」を一緒に振り返りましょう

お子さまがスクラッチでゲーム作りに取り組む際は、完成した作品のクオリティだけでなく、「作る途中でどう考えたか」というプロセスにぜひ目を向けてあげてください。

テックチャンスの実際の授業でも、小学3年生の生徒が復習として障害物をよけるゲームに取り組み、クローンの仕組みをしっかり理解できた一方で、「弾を発射する処理」でつまずき、次回の課題として持ち越した事例もあります。

子どもたちの成長スピードや得意な分野は一人ひとり異なります。

1つの仕組みをスムーズに理解できても、別の処理で立ち止まってしまうのはごく自然なことです。

「最後まで完成していないから学べていない」と捉えるのではなく、「今日はどこまで自力で組めたか」「次に解決したい課題は何か」を切り分けて受け止めてあげましょう。

ご家庭では、ぜひ次のような声かけを試してみてください。

  • 「今日はどの動きを自分で作れたの?」
  • 「このブロックの数字を変えると、ゲームはどう変わりそう?」
  • 「りんごが出なくなったとき、画面のどこをチェックした?」
  • 「次はどんな新しいルールを足してみたい?」

大人がすぐに答えのブロックを教えてしまうのではなく、お子さまが画面を指差しながら自分の言葉で説明する時間を作ると、理解している部分と迷っている部分が自然と整理されていきます。

集中力が切れて疲れてきたときは、無理をせず「動いたところまで大切に保存して、続きはまた今度!」と切り上げて構いません。

まとめ|スクラッチは「一つ作って、動かして確かめる」ことから

今回は、スクラッチの基本操作を学びながら、ネコがりんごをジャンプでよける「りんごエスケープ」を作りました。

マウスによるドラッグ操作、キャラクターの切り替え、座標を使った位置のコントロール、繰り返し、条件分岐、クローンによる分身、そして当たり判定まで、ゲームプログラミングの基礎となる大切な要素がぎゅっと詰まっています。

大切なのは、並べたブロックの形を丸暗記することではありません。

「この命令ブロックは画面上で何をしているのか」「なぜ予想と違う動きになったのか」を、手を動かしながら1つずつ確かめていく経験そのものが論理的思考力の土台になります。

まずは基本のゲームをパソコンに保存し、数字を1つだけ書き換えて遊んでみてください。

自分のアイデアが画面の中で思い通りに動いたときの達成感こそが、次のステップへ進む一番のエネルギーになります。

「1人だとエラーの原因が分からなくてつまずいてしまう」「もっと複雑で面白いゲームを自分で作ってみたい!」と感じたら、専門の講師と一緒に楽しく学べる環境を体験してみるのもおすすめです。

テックチャンスでは、スクラッチを基礎から学べる小学生向けの無料体験授業を実施しています。

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