【2027年最新】共通テスト「情報Ⅰ」でプログラミングはどう出る?過去問の傾向・出題範囲・対策を解説
「大学入試でプログラミングが出題されるというのは本当か」
「共通テストの情報Ⅰでは、Pythonなどのコードが書けないと対応できないのか」
「プログラミング未経験でも合格点を狙えるのか」
高校生や保護者の方の中には、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、大学入学共通テストの「情報Ⅰ」では、実際にプログラミングに関する問題が出題されています。
「情報Ⅰ」は2025年度の大学入学共通テストから正式に導入され、すでに2025年度・2026年度の2回にわたり本試験が実施されました。2027年度入試においても必須の出題科目として位置づけられています。
ただし、あらかじめ押さえておくべき重要な前提があります。それは、共通テスト「情報Ⅰ」は、単にプログラミングのみを学習すれば乗り切れる科目ではないという点です。
高校の「情報Ⅰ」では、主に以下の4領域を学びます。
- 情報社会の問題解決
- コミュニケーションと情報デザイン
- コンピュータとプログラミング
- 情報通信ネットワークとデータの活用
実際の試験では、単なる用語の暗記だけでは通用しません。問題文、図表、データ、提示されたプログラムの意図を正確に読み取り、「与えられた制約や条件から筋道立てて答えを導く力」が厳しく問われます。
本記事では、過去2年分(2025年度・2026年度)の本試験を詳細に振り返りながら、以下の論点について分かりやすく解説します。
- プログラミング分野はどのように出題されたのか
- Pythonなど特定のプログラミング言語を習得する必要があるのか
- 受験本番に向けてどのような対策を進めるべきか
共通テストではすでにプログラミング問題が定着

2025年1月に初の「情報Ⅰ」本試験が実施され、2026年1月には2回目の本試験が行われました。現在、大学入試センターの公式サイトにて両年度の問題および正解が公開されています。
両年度の受験者数と平均点は以下のとおりです。
| 年度 | 受験者数 | 平均点(100点満点) |
|---|---|---|
| 2025年度 | 279,718人 | 69.26点 |
| 2026年度 | 305,202人 | 56.59点 |
大学入試センターの公表データによると、2025年度の平均点69.26点に対し、2026年度は56.59点と大きく低下しました。
平均点の推移だけで「2026年度の全設問が難化した」と断定することはできません。しかし少なくとも、「情報Ⅰは直前の暗記だけで容易に高得点が狙える科目」という認識は改める必要があります。
過去問を精査すると、長文の文脈を把握し、前提条件を整理したうえで、図表やプログラムの処理過程を追跡(トレース)して正解を導く問題が数多く出題されています。
2027年度の「情報Ⅰ」に向けた留意点

2027年度の大学入学共通テストにおいても、「情報Ⅰ」は引き続き出題されます。
大学入試センター公表の実施期日は、2027年1月16日・17日です。出題範囲は、高等学校学習指導要領における「情報Ⅰ」に準拠します。
ここで注意したいのは、2025年度・2026年度とまったく同じ大問構成や配点が保証されているわけではないという点です。
過去2回の本試験における大問構成と配点は以下のとおりでした。
- 第1問:小問集合(各分野の基本知識):20点
- 第2問:コミュニケーションと情報デザイン:30点
- 第3問:コンピュータとプログラミング:25点
- 第4問:情報通信ネットワークとデータの活用:25点
過去2回はいずれも第3問がプログラミングを中心とした大問(25点)でしたが、大学入試センターが今後の構成固定を明言しているわけではありません。
したがって、学習計画を立てる際も「第3問=プログラミング=25点」と画一的に決めつけるのではなく、「プログラミング分野として全体の約4分の1程度の比重が置かれる傾向がある」と柔軟に捉えておくのが堅実です。
共通テスト「情報Ⅰ」の出題4領域

共通テスト「情報Ⅰ」の出題範囲は、文部科学省の学習指導要領に基づき、大きく以下の4領域で構成されています。
1. 情報社会の問題解決
情報技術と現代社会の関わりを多角的に捉える領域です。
- 主な学習項目:情報モラル、個人情報保護、著作権等の知的財産権、情報セキュリティ、情報技術を活用した課題解決
- 求められる力:単語の暗記にとどまらず、「このケースにおける法的・倫理的リスクは何か」「どの技術や運用ルールを適用すれば問題を防止・解決できるか」を具体事例に即して判断する応用力が求められます。
2. コミュニケーションと情報デザイン
情報を受信者に分かりやすく、かつ適切に伝達・設計するための概念を学ぶ領域です。
- 主な学習項目:情報のデジタル化(文字・画像・音声)、Webの仕組み、ユーザーインタフェース(UI)、情報デザイン
- 求められる力:単にデザイン用語を覚えるだけでなく、実際の画面設計において「利用者の誤操作を防ぎ、操作性を高めるためにはどのようにメニューやボタンを配置すべきか」といった論理的思考力が試されます(2025年度本試験でもUI設計の法則に関する実践的な問題が出題されました)。
3. コンピュータとプログラミング
共通テスト対策において受験生の差がつきやすい重点領域です。
- 主な学習項目:コンピュータの仕組み、基数変換(2進数・16進数)、論理演算、アルゴリズム、変数・配列、条件分岐、反復処理(ループ)、モデル化とシミュレーション
- 求められる力:2025年度・2026年度ともに、第3問の主軸として出題されました。身近な課題をコンピュータで処理するための論理的な手順(アルゴリズム)を読み解き、プログラムの挙動を正しくトレースする力が問われます。
4. 情報通信ネットワークとデータの活用
現代社会のインフラである通信技術と、統計的なデータ処理を扱う領域です。
- 主な学習項目:通信ネットワークの構造、インターネットの仕組み、IPアドレス、DNS、情報システム、データベース、データ分析、オープンデータ
- 求められる力:ネットワークのプロトコル理解や、提示された実データ(統計表や散布図など)から傾向・相関を読み取る分析力が問われます。2026年度には電子メールの送受信経路やDNSの名前解決に関する設問も登場しました。
「情報Ⅰ」はプログラミング専用の科目ではなく、情報社会全般のリテラシーと論理的思考力を包括的に評価する科目です。
2025年度のプログラミング出題例|作業割り当てアルゴリズム

2025年度本試験の第3問では、「部活動(工芸部)において、複数の部員に工芸品の製作作業を効率よく割り当てる」という現実的なシチュエーションが題材となりました。
各工芸品には決められた製作日数が設定されており、「ある部員が作業を開始した場合、その製作が完了するまで別の工芸品を担当できない」という制約条件が課されます。
受験者は、以下の思考プロセスを経て解答を導く構成になっていました。
- 工芸品ごとの製作日数を整理する
- 部員ごとの稼働終了見込み時刻を管理する
- 次の作業をどの部員に割り当てるべきかを論理的に判定する
- その一連の手順をアルゴリズムとして整理する
- 変数、配列、反復処理、条件分岐を用いたプログラムの空欄を補完する
単にプログラミング言語の構文ルールを問う問題ではありません。「現実の業務・作業における課題を分解し、アルゴリズムへ落とし込む力」がそのまま試される構成でした。
2026年度の出題例|待ち時間シミュレーション

2026年度本試験の第3問では、「文化祭で部活動がゲームを体験展示する際、1人あたりの体験時間を変えると待機列の待ち時間がどう変動するか」というシミュレーション問題が出題されました。
具体的には、以下の要素を数値化して順次計算していきます。
- 来訪者が何分にブースへ到着したか
- 先行者のプレイが何分に終了するか
- 次の来訪者が何分からプレイを開始できるか
- 待ち時間は何分発生するか
この出題も、コード単体を機械的に読ませるものではありません。
現実の事象(待ち時間)の課題認識 → 変数や数式によるモデル化 → アルゴリズム設計 → プログラムへの落とし込み → シミュレーション結果の考察
という、プログラミング教育で重視される「問題解決の一連のサイクル」が設問全体を貫いていました。
過去2年の出題から見えたプログラミング問題の共通項

2年分の過去問を分析すると、共通テストにおけるプログラミング問題には以下の明確な傾向が見られます。
- 身近な生活・社会の課題から問題が始まる 最初からプログラムコードだけが提示されることはありません。まずは「何を最適化・解決したいのか」という問題背景の文脈を把握する必要があります。
- 「書く力」ではなく「読む力(トレース能力)」が問われる 共通テストはマークシート方式であり、PC上でコードをキーボード入力する試験ではありません。提示されたコードを読み、「ループの各段階で変数に何が格納されているか」「条件が成立した際にどの処理へ分岐するか」を紙の上で正確に追うトレース能力が合否を分けます。
- 配列(リスト構造)の操作が頻出 複数データを順序立てて管理する「配列」の概念は必須です。インデックス(添字)の指定や、ループ内での要素の参照・更新の挙動は確実に理解しておく必要があります。
- 処理の「目的」を大局的に捉える必要がある コードを1行ずつ場当たり的に追うだけでは、途中で計算の意図を見失います。「この関数やループは何を算出するために置かれているのか」という全体像を把握したうえで細部の処理を精査する読解姿勢が求められます。
Pythonなどのプログラミング言語習得は必須か?

Pythonなどの特定言語の習得は、共通テスト情報Ⅰの必須要件ではありません。
大学入試センターは、高校現場によって採択言語(Python、JavaScript、VBAなど)が異なる点に配慮し、「共通テスト用プログラム表記(日本語をベースとした独自の擬似言語)」を採用しています。特定の言語を履修した生徒だけが有利にならない公平な設計です。
そのため、Python固有の特殊なライブラリや細かな文法規則を丸暗記する必要はありません。重要なのは、どの言語にも共通するアルゴリズムの基礎概念(変数、代入、条件分岐、反復、配列、関数)を正しく理解することです。
ScratchやPythonによる学習経験は入試で役立つか?

共通テストで特定言語の記述が課されないからといって、実践的なプログラミング経験が無意味になるわけではありません。むしろ体験に基づく理解は大きな強みになります。
- Scratch等のビジュアル言語の経験: 「条件を満たしたときだけ実行する」「一定回数繰り返す」「変数を1ずつ加算する」といった制御構造を視覚的・体感的に理解できているため、試験問題の論理展開を直感的に呑み込みやすくなります。
- Python等のテキスト言語の経験: 配列のインデックス処理、多重ループ、エラーの原因を追究するデバッグ作業に慣れているため、共通テスト特有の擬似言語に対しても抵抗感なくスムーズに対応できます。
ただし、「プログラミング経験者だから無勉強でも満点が取れる」というわけではありません。情報Ⅰにはセキュリティ、著作権、ネットワーク、データサイエンスといった広範な分野が含まれるため、共通テストに特化した網羅的な学習は別途必須です。
プログラミングと並ぶ重点分野「データの活用」

見落とされがちなのが、第4問で定着している「データの活用」分野です。
- 2025年度第4問:観光庁の「旅行・観光消費動向調査」の実データを基にした分析
- 2026年度第4問:気象庁の「さくらの開花日」オープンデータを用いた相関分析や仮説検証
この領域では、欠損値の扱い、外れ値の特定、散布図やヒストグラムの可視化、相関係数の解釈など、データサイエンスの基礎知識が問われます。
2025年度・2026年度ともに第4問には25点が割り振られており、「プログラミング」と「データ活用」の2領域だけで全体の約半分を占めています。 プログラミング学習だけに偏ることなく、統計・データ分析の対策にも十分な時間を配分する必要があります。
数学や物理の対策はどこまで必要か?

過去の受験指導等で「情報Ⅰのために物理や高度な数学を強化すべき」と語られることがありましたが、物理の履修は情報Ⅰ対策として不要です。
数学に関しては、数学Ⅰの「データの分析」分野(四分位数、分散、標準偏差、相関係数など)や、論理・集合の考え方が情報Ⅰと直結しています。しかし、問われるのはあくまで「情報Ⅰの文脈におけるデータの読み取りやアルゴリズム」です。
高度な数式処理を深追いするよりも、教科書に掲載されている情報Ⅰの基本事項を着実に身につける学習を優先してください。
共通テスト「情報Ⅰ」の効果的な学習ステップ

共通テスト「情報Ⅰ」を攻略するための実践的な学習手順を整理しました。
1. 教科書レベルの概念理解
専門用語を単語単位で暗記するのではなく、「その仕組みが何のために存在し、どう機能するか」を説明できるレベルを目指します(例:DNSであれば「文字列のドメイン名と数値のIPアドレスを相互変換する仕組み」と機能まで理解する)。
2. プログラミングの4大要素の習得
初心者の方は、以下の順序で基礎構文を固めましょう。
- 変数・代入(数値や文字列を保持する箱)
- 条件分岐(もし〜ならばA、そうでなければB)
- 繰り返し(条件を満たすまで同じ処理を反復)
- 配列(複数の連続したデータを1つの変数名と添字で管理)
3. トレース表の作成演習
問題演習の際は、頭の中だけで計算せず、余白に変数や配列の変化を書き出す「トレース表」を作成する訓練を重ねてください。
x = 1
iを1から3まで1ずつ増やしながら繰り返す:
x = x + i
| ループ回数 | ループ変数 i | 計算後の x の値 |
|---|---|---|
| 初期状態 | – | 1 |
| 1回目 | 1 | 2 (1 + 1) |
| 2回目 | 2 | 4 (2 + 2) |
| 3回目 | 3 | 7 (4 + 3) |
手を動かして追跡する習慣をつけることで、ケアレスミスを大幅に抑制できます。
4. 設問の「目的」から読み解く訓練
問題文を読む際は、いきなりコードの1行目を見に行くのではなく、「このプログラムは何を計算・判定するための仕組みなのか」という目的を冒頭の文章から読み取ります。全体像を把握してから細部に入ると、コードの意図が自然と理解できるようになります。
5. データ分析分野の網羅
代表値(平均値、中央値、最頻値)、散布図、相関係数、オープンデータ、欠損値の補正といった頻出事項を整理し、グラフから事実を正しく読み取る演習を行ってください。
6. 過去問・試作問題の反復演習
大学入試センターから公開されている公式資料を最大限に活用します。
- 2025年度 本試験・追試験
- 2026年度 本試験・追試験
- 大学入試センター公表の「試作問題」
新科目であるため過去問の絶対数は限られていますが、追試験や試作問題まで解き進めることで、出題形式への十分な対応力を養えます。
小学生・中学生の段階から大学受験対策は必要か?

小中学生の段階から、大学入試対策を意識して共通テストの過去問を先取り演習する必要はありません。
小中学生の時期に最も価値があるのは、「自分の手を動かして作り、試行錯誤する原体験」です。
- Scratchで思い通りのゲームを構築してみる
- Minecraftのプログラミング環境で構造物を自動化してみる
- エラーが発生した際に「なぜ動かないのか」を自分で観察し、修正する
こうした創作・探究のプロセスそのものが、高校で学ぶアルゴリズムや論理的思考の強固な土台となります。受験向けの知識のインプットは高校生になってからで十分間に合います。
「プログラミング教室」と「情報Ⅰ対策」の接点

民間のプログラミング教室で作品を作る活動と、共通テストで高得点を取るためのペーパーテスト対策は、目的が異なります。教室に通うだけで共通テストの全領域が自動的に仕上がるわけではありません。
しかし、プログラミング学習の本質である以下の経験は、共通テストの問題解決アプローチと完全に一致しています。
- 課題を細かな処理単位に分解する(構造化)
- 想定通りに動かない原因を特定して直す(デバッグ・仮説検証)
- 規則性を見つけ出して効率化する(アルゴリズム構築)
大学入試センターが求めているのも、まさにこうした「情報技術を活用して身近な課題を論理的に考察する資質」です。幼少期からのプログラミング体験は、ペーパーテストの設問を単なる記号の羅列ではなく「動く仕組み」として捉えるための大きなアドバンテージとなります。
よくある質問(FAQ)

Q. 共通テストのプログラミング問題で特定の言語(Pythonなど)が指定されることはありますか?
A. ありません。大学入試センター独自の「共通テスト用プログラム表記(日本語による擬似言語)」が用いられます。学校ごとの採択言語による有利・不利は生じない設計です。
Q. プログラミングの学習経験がまったくない状態からでも間に合いますか?
A. 高校の授業に沿って基礎から順番にステップを踏めば十分に対応可能です。まずは「変数」「条件分岐」「繰り返し」「配列」の4大概念を押さえ、簡単なコードのトレースを紙の上で練習することから始めてください。
Q. 小学生・中学生の頃のScratch経験は高校入試や大学入試に役立ちますか?
A. 大いに役立ちます。制御構文や変数の役割を直感的に理解できているため、高校の授業や共通テストのアルゴリズム問題に対する理解スピードが格段に速くなります。
Q. 文系学部の志望者でも「情報Ⅰ」の受験は必要ですか?
A. 高校の学習指導要領において「情報Ⅰ」は必履修科目です。また、国公立大学を中心に多くの大学・学部で共通テストの受験科目として課されています。ただし、配点比率や利用方法は各大学の募集要項によって異なるため、最新の入試要項を必ず確認してください。
Q. 数学が苦手な場合、「情報Ⅰ」のプログラミング問題で苦戦しますか?
A. 数学の得手不得手だけで成否が決まるわけではありません。要求されるのは高度な計算力ではなく、「条件文を正しく読み取り、順を追って整理する読解力と論理的思考力」です。
まとめ|情報Ⅰで問われるのは「構文の暗記」ではなく「論理的に解決する力」

2025年度・2026年度の共通テスト本試験を通じて明らかになったのは、情報Ⅰが「知識の暗記量」ではなく「課題を論理的に解決する手順を導けるか」を測る試験であるということです。
出題されたプログラミング問題は、いずれも「現実の課題を分析し、アルゴリズムに変換し、プログラムとして成立させる」という一連の思考力を問うものでした。
- 高校生の方:まずは学校の教科書内容を正確に把握し、プログラムのトレース演習とデータ活用の対策を並行して進めましょう。
- 小中学生・保護者の方:受験問題を急いで解かせる必要はありません。まずは実際に作品を作り、失敗から原因を見つけ出して修正する「プログラミングならではの楽しさと試行錯誤」を存分に体験させてあげてください。
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